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障害者乗馬

障害者乗馬
「障害者乗馬」は日本ではまだまだあまり知られていませんが
ヨーロッパでは、障害のある人たちのリハビリとしてすでに定着しています。
馬に乗ることで身体の機能回復訓練になったり
豊かな感情の変化がみられたりといった効果が期待されているからです。
また、リハビリ面だけに限らず、動物とのふれあい、スピード感、今までに経験しなかった高い視野などを味わう楽しみの場ともなっています。
初めて馬に乗ったときに、その高さや歩いたときの
大きな揺れ、温もり、そして馬の深いやさしさにふれ
純粋な感動を味わうことでしょう。障害者乗馬とは
馬でしか得られないこれらの貴重な経験を、障害のある人の治療やリハビリ
そして生きがい活動として確立、発展させたものです。
例えば、馬の上でバランスをとったり手綱を持つことによって
リハビリとしての効果があったり、馬に乗れたということから
大きな自信につながっていくのです。
ただ単に乗るだけでなく、馬の世話や馬小屋の掃除などを通して
いたわる気持ちや優しさを引き出すことにつながりますし
馬を中心に集まった多くの仲間と知り合うことにもなるわけです。
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障害者乗馬」は主として、医療、教育、スポーツ、交流の4つの要素を併せ持った療育法です。
しかも、それらが互いに密接した関わり合うことで相乗効果を生み出し
乗り手一人一人の目的、期待に答える事のできる可能性を持っています。 |
| 1.医療的視点からの乗馬 |
乗馬療法とは、「馬の助けを借りる療法」のことで、馬との共同作業によって行われます。
乗り手が馬に座り動きを馬に任せる受け身の乗馬により生まれる、馬のリズム、反動、温もり等の
独特の刺激が、障害のある人の治療に有効であるとされています。
馬の歩行と人間の歩行を比較してみると、脊椎や骨盤、筋肉等の動きが極めて似通っており
乗り手がリラックスして馬の動きを身体に受ける事により、上半身が歩くときと同じ筋肉を使い
あたかも自分で歩いているかのような刺激(擬似歩行)を受けることができます。 |
| 2.教育的視点からの乗馬 |
馬に乗ることへの興味、楽しさや向上心を生かしながら、馬の手入れや厩舎管理を通じての
情操教育や乗馬理論(知識)など様々な教材を活用し、社会に生きる人として成長するための
いろいろな経験を乗馬によって得ることができます。
医療的な側面では馬そのものの理学的な動きを療法として使用するのに対し
馬を通した様々な活動のすべてを利用し、乗り手のニーズに応じた学習の機会を
提供することができます。これはもちろん心身に障害のある人ばかりでなく
例えば不登校の問題などにも大いに役立てられています。 |
| 3.スポーツ的視点からの乗馬 |
スポーツは通常自らの身体を動かしますが、乗馬は単に馬にまたがって歩くだけでも
馬の動きから得られる訓練によって、十分にスポーツとしての役割を果たします。
馬からの上下左右前後といった揺れを内股で受け止め、常に平衡を保とうとする動きは
想像以上の運動量が必要でしょう。
正しい姿勢を保ち、馬の動きを吸収する為に体の力を抜くことを要求される乗馬は
リラクリゼーションが必要のある人にはうってつけのスポーツといえるでしょう。また
運動の機会が少ない身体に障害のある人には、無理のない有酸素運動として
心肺機能や筋肉のトレーニングにも効果的です。
競技会出場を目指し、競技乗馬へと挑戦することもできます。
2000年シドニーオリンピックには、馬術選手が日本からは、初めて出場し
6位入賞(グレード3)という快挙を成し遂げた選手もいます。 |
| 4.交流の場としての乗馬 |
乗馬をしに行ったりすることにより地域社会やそこに暮らす人々との
交流の機会を得ることができます。
障害のある方々は、多くの行動を障害によって制限されていると思われがちですが、
実際には、周りの環境がそうさせているだけかもしれません。
「何もできない」ではなく「何もさせてもらえない」為に
行動が制限されているケースが多いのです。
乗馬は性別や年齢、また障害の有無に関わらず
比較的誰にでも親しみやすいスポーツであり、個人の目的、ニーズに応じた
馬との関わりができれば、健常者と同じような活動が可能です。
馬というおおらかな動物と、そこに集まる人々とのすばらしい交流は
社会参加の為の大きな経験となるでしょう。 |
障害者乗馬とは、
身体障害者は、馬に乗ると障害が増強されるとの理由で乗馬することを拒否され、
知的障害者は指示の理解や意思の疎通等が困難であるという理由で、
馬に騎乗する機会が与えられていませんでした。しかし現在では、
様々な障害に応じた馬具が開発され、乗馬の指導方法も発達し、
多くの障害者が安心して乗馬を楽しめるようになっています。
乗馬の効果
障害者は身体を動かす機会が少なく、呼吸器や骨・筋肉に対して、
適度な刺激を与えることができません。
乗馬は循環器や呼吸器に良い影響を与え、新陳代謝の改善を行うだけでなく、
運動器官や平行機能にも良い影響を及ぼし、
情緒面でも著しい効果をあげることが出来ます。
身体障害者に対する乗馬の効果
@ストレッチ効果
馬体の背中の丸みや上下運動を利用して、またの内側の筋肉を徐々に引き伸ばし、
股を閉じる筋肉を柔らかくします。またふくらはぎや
アキレス腱を無理なく引き伸ばす効果もあります。
A温熱の効果
馬の体温は37.8度〜38.5度です。この体温を利用して、
筋肉疲労や脳(中枢神経)の障害などで緊張した筋肉を暖め、
緊張を解きほぐす効果があります。ストレッチ効果との相乗作用が期待できます。
B平衡感覚の効果
立位バランスや歩行バランスが不安定な障害者が、
馬の規則正しいリズムに合わせて騎乗することで、
リズミカルな動きや体の左右のねじりに対応した、
騎乗姿勢を保持する平衡感覚を養うことができます。
C分離運動の効果
脳に障害(中枢神経系障害)がある場合、
一つの関節だけを単独で動かすことができません。
乗馬のレッスンでは馬に正しい指示をするため、
手足の関節を別々に動かすことができ、スムーズな運動が可能となります。
D筋力増強の効果
脳に障害があると機能的に筋肉を使う事が苦手です。乗馬で軽速歩は、
鎧を踏みながら立ち上がり、ふくらはぎで馬体を締め付けるので、
股を閉める筋肉の調整ができ、下半身の筋肉の機能的な動きが可能になります
E支持性の効果
股を開いて鞍の上に跨れば、体を安定させるための腹筋と背筋のバランスが良くなり、
日常生活の歩行や座位において、頭・脊髄・骨盤・下肢の位置関係等が良くなり、
正しい姿勢が保持できるようになります。
情緒面の効果
@自信・満足感
馬に乗ることで、今まで体験したことのない高い視野、スピード感を得ることができるので、
「馬に乗った」という満足感を得られ、更には「大きな馬を操れた」という自信が生まれます。
A意思・感情の表現
馬の騎乗中は馬と意思の疎通を図らなければなりません。これを続けていると、
騎乗者は馬に自分の意思や感情を伝え、馬と友情を結びたくなり、
自分自身の意思や感情を十分に表現することが出来ます。
B協調性・調和性
社会から隔離されていると感じている障害者は、乗馬により、
家族や友人に馬場や騎乗の様子を話す機会が生まれます。
そのことで他人の話を聞いてもらい、話を聞くようになり、
協調性が・調和性が身につきます。
聴覚障害に対する効果
聴覚情報の提供
聴覚障害者は乗馬レッスン中、インストラクターの声を聞くことが出来ませんが、
馬はその声を聞こうと、緊張し色々な素振り・合図で騎乗者に注意を促してくれます。
このような合図を騎乗者が覚えてしまえば、
馬に乗りながら聴覚情報の一部を馬から提供してもらえることになり、
視覚情報が唯一の情報源ではないことを経験できます。
視覚障害の乗馬の効果
精神的な効果
視覚障害の乗馬の効果は、馬の目を借りることにより障害物の存在に対する
不安から開放されて、馬の動きやスピード感を味わえることができ、
スポーツを行う楽しさや開放感を経験できることで、精神的な効果が期待できます。
また、視覚障害者のチャレンジ精神を満足させることもできます。
馬と触れ合うことで、様々な効果が期待できます
乗馬療法

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